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国際的な「核融合実験炉建設」
伴うカバープレート製作プロジェクト

国際的な「核融合実験炉建設」に 伴うカバープレート製作プロジェクト

国際的なプロジェクトに携わる村上製作所の技術者3名が顔を揃えて行われた座談会。2013年の始動から今日までの道のりを振り返り、苦労から学んだことや、この仕事の魅力について語り合いました。

プロジェクトメンバー

黛 将夫

黛 将夫

富岡実業高校電子機械科卒業

入社
2005年
所属
安中工場 製造部 製造課
生産技術Grリーダー
趣味
猫をかまうこと
渡邉 健太

渡邉 健太

日本工業大学工学部機械工学科卒業

入社
2012年
所属
品質保証部 品質保証課
趣味
映画鑑賞とスポーツ観戦
加藤 正識

加藤 正識

産業技術専門校機械科卒業

入社
2008年
所属
安中工場 製造部 製造課
MC2Grリーダー
趣味
草野球。地元のチームにも所属。

プロジェクト概要プロジェクト概要

人類初の核融合実験炉の建設に伴い、建設に伴い、2013年に始動したカバープレート製作プロジェクト。核融合炉内部のいたるところに張り巡らされるケーブルを保護するための製品です。

世界中の英知を結集させた大規模な
国際プロジェクトに携わる、村上製作所の技術力

世界中の英知を結集させた大規模な国際プロジェクトに携わる、村上製作所の技術力
黛

今回のプロジェクトは、それ以前に手がけた製品の技術がベースになりましたね。“長いものを加工する”という過去の実績が評価されて、同じクライアントからの依頼でした。



加藤

私たちが製作に携わってきたカバープレートは、発電所内に用いられる部品で、露出したケーブルを保護するためのもの。長尺や曲率(アール)が異なる約100種類の製品に対して、TMC500Vというマシニングセンターを使ってねじ穴をあける旋盤加工を施すのが我々の仕事ですね。



渡邉

アールの違いだけで44種類、長さは200㎜のものから最大3800㎜のものまで多種多様。これほどの種類や長さのある製品を加工すること自体が、当社にとっては新たな取り組みでしたよね。


黛

ステンレス製のカバーにねじ穴をあける、という加工技術自体は同じでも、曲率や長尺が違えばねじ穴の位置もそれぞれ違う。形状に応じてマシンに入力する数値も異なるので、いかにして時間とコスト面で効率よく作業できるかが、最大の難しさでしたね。


新たな挑戦に取り組む
技術者たちの試行錯誤とは


加藤

プロジェクトの開始当初は、加工の際にドリルを当てた振動で製品が動かないように固定するためのジグ(固定具)の設定から始まりました。曲率や長尺を考慮して、すべてのサイズに対応できる専用のジグを作りましたね。また、今回のようにアールを描いた製品の加工は、ねじ穴をあける表面が平らでない場合が多く、削る際に機械の刃物が傷みやすい。そこで、交換頻度を抑えて効率を上げるために、丈夫な刃物を探しました。


黛

実際の加工が始まってからは、膨大な種類の製品の管理に苦労しました。ものによって異なるピッチ(ねじ穴間の距離)の測定も大変でした。通常だと測定は渡邉さんのいる品質保証で行いますが、今回の場合は最大で4メートル近くあったため測定機では測れず、加工機械で測定するという珍しいケースでした。



渡邉

そうですね。初回の検査以降は製品の測定業務を加工現場に完全移管して、われわれ品質保証では現場からあがってくる検査結果を確認・入力してお客様に提出するのが主な業務でした。ふだんの業務では、直接お客様と接する機会は、なかなかないので、貴重な経験でした。



加藤

加工においても、通常はこれほど大きな製品を手がけることはないので、機械にも収まりません。機械上部のカバーやドアなどを全部取り外して、機械からはみ出す製品を片側ずつひっくり返しながらの作業は異様な光景でした。また、加工した断面に発生するトゲやギザギザを除去する「バリ取り」も手間のかかる作業でしたが、モノづくりにおいてバリ取りは精度の高い製品を作るために欠かせない仕上げ作業の一つ。初めは、手動の工具で1個ずつ手作業でしたが、それでは加工のスピードに追い付かなかったので、工具を電動式に改造して効率アップを図りました。リーダーとしていかに時間とコスト面で効率よく量産できるか、いつも試行錯誤の連続でした。


約7年におよぶ一大プロジェクトもいよいよ終盤に。
それぞれが成長を実感した瞬間を振り返る


渡邉

現状、業務全体の9割まで進んでいます。おそらく、年が明ける頃には全行程が完了するのではないでしょうか。



加藤

製品の量産体制を確立させるMC2グループでは、常に業務の効率化とコスト削減が課題でした。そのため、消耗品の刃物は耐久性のあるものを求めてさまざまな種類を試しました。最終的に見つけた刃物は、従来品では40回で取り換えになるところ、200回の稼働が可能に。効率化とコスト削減につながる発見ができて、嬉しかったですね。また、加工する製品によってさまざまな刃物のチョイスがあることや、メーカーごとの特性も知ったので、今後に生かしていきたいですね。


黛

私は、膨大な数の製品を管理するために、エクセルの「ビジュアルベーシック」という機能をマスターしました。今後の業務でも役立てられる知識なので、習得してよかったなと思いますね。



渡邉

今回のプロジェクト自体、2012年入社の私が専任で携わった最初の仕事でした。何もかもが初めての経験でしたが、さまざまな検査を通じて「どの測定機を使うべきか」「ここにはこれを使うといい」などと実践で学んでいくことができたのは面白かったですね。忘れかけていた数学の関数を思い出しながら数値を算出したことや、専任としてお客様の対応をしたことなど苦労もありましたが、仕事を覚える楽しさからいつもやりがいに満ちていました。


改めて考える、この仕事の魅力や
技術者を目指す学生たちに伝えたいこととは

改めて考える、この仕事の魅力や技術者を目指す学生たちに伝えたいこととは

加藤

モノづくりが好きでこの仕事に就いた私にとって、難しい加工をいかに効率よく仕上げるかという課題を達成できた時の喜びはひとしお。難易度の高い加工に直面するほど、職人魂に火がつくというか。


黛

確かに、会社として新しい技術に挑戦するとき、そこに参加できるというのはやりがいがありますよね。また、自分自身の技術や知識も身に付く。どうすれば精度を高く仕上げられるか、どうすれば安定していい製品を量産できるか。考えながら日々知識や技術が磨かれていく。手に職がつけられるという点が、いちばんの醍醐味ではないでしょうか。



渡邉

入社して初めて専任で担当した仕事でしたが、品質保証としてベストな測定方法を吟味しながら、だんだんと答えを見出していく作業は面白かったです。これからも品質を保つ最後の砦として、責任感を強くもって、正確な測定を心がけたいです。


黛

基本的には、一つの部署だけで仕事が完結することはなく、私が所属する生産技術グループではプログラムを作り加工し、渡邉さんのいる品質保証でチェックし、最終的に加藤さん率いるMC2グループで量産体制に入る。チームごとに綿密な打ち合わせを重ね、「おかしいな」と気になる点は相談し、お互いにフォローし合う。各チームが連携して一つのものを完成させるという楽しさもあります。



加藤

それと最後に、大切なことは失敗を恐れないこと。私自身、これまで何度も失敗を経験しました。だからこそ学んだことがたくさんあるし、部下の失敗も手に取るようにわかります。これから出会う新入社員のみんなには、失敗を恐れずに多くの経験を重ねていってほしいですね。


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